若者=デジタル強者?それってスマホ限定かもしれません
今回は、「デジタルネイティブ」と呼ばれる若者世代が、実はパソコンに苦手意識を持っているという事実。そして、逆に「デジタル弱者」とされがちな中高年が、今こそ活躍できる時代であるという視点からお話しします。
若者=デジタル強者はスマホ限定だった?
Z世代は、物心ついた頃からゲーム機やスマートフォンなどのデジタル機器に囲まれて育ちました。SNSへの投稿や画像・動画の加工もお手のもの。街中ではスマホを自在に操る若者の姿が目立ち、セルフレジなどの操作もスムーズです。
一方で、セルフレジの前で操作に戸惑う中高年世代や、スマホの設定を若者に頼る場面もよく見かけます。こうした光景から、「若者=デジタル強者」というイメージが定着しているのも無理はありません。
しかし、ここに大きな誤解があります。
実は、スマホの操作には長けていても、パソコンとなると話は別。新卒で入社した若者の中には、WordやExcelの使い方はもちろん、ファイルの保存方法すら知らない人もいます。タイピングが遅く、誤字が目立つことも珍しくありません。
大学のレポートもスマホで完結させる学生が増えている今、パソコンに触れる機会が極端に少ない若者も多いのです。
中高年が自然と使っているデジタル機器が若者には難しい
「若者はデジタルに強い」と思われがちですが、それはスマートフォンに限った話。実は、職場で使われるようなパソコンや業務用ソフト、複合機などの操作に関しては、中高年の方がスムーズにこなしているケースも多いのです。
若者が苦手とするのは、スマホ以外の“業務用デジタル機器”。
たとえば…
- WordやExcelでの文書作成や表計算
- フォルダ管理やファイルの保存・共有
- メールの送受信やビジネスマナー
- 複合機でのスキャン・印刷・FAX送信
これらは、長年の業務経験の中で自然と身につけてきた中高年にとっては「当たり前」のスキル。しかし、スマホ中心の生活を送ってきた若者にとっては、まるで“未知の領域”なのです。
実際に、パソコンの電源の入れ方から教える場面もあります。ファイルの保存先が分からず、作業が止まってしまうことも。中高年が「そんなことも知らないの?」と驚くのも無理はありません。
でも、これは決して若者の能力が低いわけではなく、単に“触れてこなかった”だけ。スマホで何でも完結できる時代に育った彼らにとって、パソコンは必要性を感じにくいツールだったのです。
一方で、中高年は仕事の中でパソコンを使うことが当たり前だった時代を生きてきました。だからこそ、若者よりもパソコン操作に慣れている人が多いのです。
このギャップを埋めるには、「教える側の理解」と「学ぶ側の素直さ」が必要です。世代間の違いを責めるのではなく、互いに歩み寄る姿勢が大切ですね。
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