Excelの絶対参照とは?数式をコピーしても税率を固定する方法

こんにちは!パソコン教室わかるとできる高島平校インストラクターの浅木です。
Excelで1行目の計算は合っていたのに、数式を下へコピーすると2行目から0円になる。そんなときは、税率が入ったセルの参照先まで一緒に動いているかもしれません。
数式の一部をいつも同じセルへ固定したいときに使うのが絶対参照です。今回は、商品ごとに変わる税抜金額と、全商品で共通する税率を分けて考えます。
商品ごとの金額と共通の税率を用意します
C列には商品ごとの税抜金額、F2セルには税率10%が入っています。D列へ税込金額を表示します。

税抜金額は行ごとに変わるため、C2、C3、C4と参照先を動かしたいデータです。一方、税率はどの行でもF2を使います。コピーするときに「動かす参照」と「固定する参照」が同じ式の中にあることがポイントです。
相対参照のままコピーすると税率まで動きます
最初にD2へ=C2*(1+F2)と入力すると、1,800円×1.1で1,980円になります。この時点の答えは正しいです。
しかし、式をD3へコピーすると=C3*(1+F3)に変わります。F3は空白なので、税率10%を参照できません。通常のセル参照は相対参照で、数式を移動した分だけ参照先も自動的に変わります。
相対参照は間違いではありません。C2をC3へ動かしたい今回のような場面では必要です。問題は、共通の税率F2まで動いてしまうことです。
税率セルを$F$2にすると固定できます
D2に入力する式を次のように直します。
=C2*(1+$F$2)
列記号Fと行番号2の前に、それぞれドル記号を付けた$F$2が絶対参照です。式を下へコピーしても、この部分はF2のまま変わりません。

式全体を固定するのではなく、税率の参照だけを固定しています。C2は相対参照のままなので、D3ではC3、D4ではC4に変わります。固定する場所を見分けることが、絶対参照を理解する近道です。
F4キーで参照方法を切り替えられます
数式を編集中にF2の参照へカーソルを置き、F4キーを押すと、$F$2などの参照形式へ切り替えられます。ノートパソコンでは、機種やキーボード設定によってFnキーと一緒に押す場合があります。
F4を繰り返すと、絶対参照、行だけ固定、列だけ固定、相対参照の順に切り替わります。今回は列と行の両方を固定する$F$2を選びます。記号を手入力しても構いませんが、F4を使うとドル記号の位置を間違えにくくなります。
コピー後の式と結果を確認します
D2の式をD6までコピーすると、税抜金額は各行に合わせて変わり、税率はすべてF2を参照します。

D3を選ぶと、数式バーには=C3*(1+$F$2)と表示されます。D4ならC4と$F$2です。答えの金額だけでなく、途中のセルを選んで参照先を確かめましょう。
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$は金額を表す記号ではありません
数式内のドル記号は、セル参照の列や行を固定するための記号です。通貨のドルを意味しているわけではありません。表示形式で付く円記号やドル記号とも役割が違います。
また、$F$2と入力してもF2セル自体が編集禁止になるわけではありません。F2の税率を8%へ変えれば、$F$2を参照する計算結果は更新されます。「参照する場所を固定する」と「セルの入力を保護する」は別の機能です。
複合参照は次の段階で学びます
$F2は列Fだけ固定、F$2は行2だけ固定する複合参照です。縦横に数式をコピーする九九表や単価表などで使います。
最初から4種類を同時に覚えようとせず、今回は「すべての行が同じ税率セルを見るから、列と行の両方を固定する」と理解しましょう。相対参照と絶対参照を使い分けられた後に、行だけ・列だけの固定へ進むと整理しやすくなります。
MOS Excel 365対策でも参照方法は重要です
Microsoft公式のMO-210技能一覧には、相対参照、絶対参照、複合参照を使う項目があります。技能一覧に含まれることが、試験で必ず出るという意味ではありません。
練習では、数式を一つ作って終わりにせず、コピー前後の式を比較します。「C2は行に合わせて変える」「F2は全行で共通だから固定する」と理由を説明できるようにしましょう。操作の暗記より、表の中で変わる値と共通の値を見つける力が大切です。
割引率や換算レートでも同じ考え方です
絶対参照は税率だけでなく、全商品に共通する割引率、手数料率、目標値、換算レートなどにも使えます。共通の設定値を表の外へまとめておけば、数値を一か所直すだけで関連する計算を更新できます。
ただし、設定値のセルが何を表すか分かるように「税率」「割引率」などの見出しを付けます。式の正しさだけでなく、他の人が見ても用途を理解できる表にすることが実務では重要です。
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